LGBTQにフレンドリーな台湾にいるとすっかり忘れてしまいますが、まだまだ世界ではLGBTQに優しくない社会が多いです。
特に中国ではLGBTの95%である7000万人がカミングアウトできない、自分らしく生きることができない現状があります。
今回の記事は中国LGBTドキュメンタリー映画「出櫃(カミングアウト)」を見て、台湾と中国のあまりの違いに衝撃だったので、台湾と中国のLGBTQへの社会や家族の扱いの違いについて書いていきます。
出櫃(カミングアウト)とは?
中国出身で留学を機に日本で映像製作の道に進み、テレビドキュメンタリーなどを手がける房満満監督が、約7000万人とも推定される中国の性的マイノリティの人々を題材にしたドキュメンタリー映画。
中国・江蘇省で教員資格の認定試験を控える谷超(グーチャオ)は、自身がゲイであることを父親に告白しようと決心する。一方、上海に暮らす安安(アンアン)は 19 歳の時に母親にカミングアウトしたが、受け入れられないまま32歳になった。今はパートナーの丹丹(ダンダン)と暮らしている安安は、性的マイノリティを支援するボランティアの助けを得て、あらためて母親と話し合い、受け入れてもらおうとするが……。
かつて同性愛は「犯罪」とみなされた社会通念がいまだ根強い中国で、葛藤し、ありのままの自分を受け入れてもらいたいと親と向き合うゲイとレズビアンの若者に密着し、乗り越えようとする親子の関係を追った。
出櫃(カミングアウト)を見る方法
出櫃(カミングアウト)は以下の映画館で上映されていました。
『出櫃(カミングアウト)〜中国 LGBTの叫び』は、2021年1月23日からK’s cinema(東京都新宿区)での上映を皮切りに、以下の映画館で上映されました。
東京 K’s cinema 1月23日〜 愛知 シネマスコーレ 1月30日〜2月5日 大阪 シアターセブン 2月13日〜 京都 アップリンク京都 3月5日〜 |
現在では映画館で見る事は不可能でDVDかサブスクで配信されるのを待つしかない状況です。
「異性と結婚しないと人生は終わり」なのか?
いまだに中国ではこういう考えの人が多く、LGBTの受けるストレスはかなり大きい状況なのが映画鑑賞して理解できました。
特に家族の理解が得られにくい状況で、映画全体を通して出口の見えない話し合いが続いていきます。でもそれが中国だけの現状なんでしょうか?
親に言えないLGBT当事者は日本にも数多くいます。社会的には中国の現状よりは表面上少しだけマシなような気もしますが実は大して変わらない気もしました。
台湾ですらLGBTと家族との問題はいろいろあるので、そういうLGBTの現状をがっつり見せつけられる映画です。
LGBTをテーマにした映画などは綺麗に話がまとめられている事もあるんですが、こちらのが、現実に近いんじゃないかと思います。映画鑑賞後「すっきり」感を求めない方にお勧めいたします。
台湾がLGBTに優しいのは実は表面上だけなんじゃないか?
映画を見て、中華圏の基本の考え方は実はこの映画のような世界なんじゃないか?と疑問に思いました。
そうすると私が台湾で暮らして感じていた心地の良さは実は「他人」であり「社会的」という部分でしか台湾人に接する事が無かったからなんじゃないか?と疑うようにもなりました。
実際私の台湾の友人の一人は親にはカミングアウトしてませんでした。
実は台湾でも家族同士の中では出櫃(カミングアウト)のような状況は沢山あるのかもしれませんね。そして元々台湾でも昔はLGBTに対してはこの映画のような状態だったのかもしれません。
でもどこかの先人たちがこうやって少しずつ頑張って社会を変えていって今の台湾のようなLGBTに優しい国。アジアで唯一結婚できる国になってるのかな?と感じました。家族に対する考え方を知れるという意味でこの映画は本当に興味深いです。
今の台湾との違いを見ると、台湾のLGBTやその理解者たちは凄く大変だっただろうし、頑張り、凄いな!と正直に思いました。
中国のLGBT見て台湾のLGBTの事考えるのも不思議ですが、中華圏の考え方や家族の在り方について知ることができるの映画だと思います。
どこかで機会があれば是非見て欲しいです。
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